コロナ禍でのレッスンの取り組み
「まずは、この業界のことを知ってほしい」という想いで始めたクレージュトリオのクラウドファンディングも、早いもので残り一週間を切りました。
本取り組みについて、おかげさまで中日新聞社様にも取り上げていただき、まだ期間は終了していませんがこのプロジェクトを立ち上げて本当によかったと思っています。
今日は、この場をお借りして、期限一杯1人でも多くの方にこの業界のことを知っていただくべく、 コロナ禍にある音楽業界のことを更にご紹介させてください。
今日のお話は演奏家ではなく、楽器レッスン講師の立場からです。
今日のお話は演奏家ではなく、楽器レッスン講師の立場からです。
この写真をご覧になって、一番はじめに思ったことはどのようなことですか。
私が稼働している某お教室のレッスン風景なのですが、初めに見た時は正直ショックを受けました。
あぁ、これからはここまでしなければならない世の中に変わってしまったんだ、と。
生徒様のマスクをしていない素顔を見ることが出来なくなってしまったことも、直接お会いしているのにパーテーション越しにしかコミュニケーションを取ることができなくなってしまったことも、とてもショックでした。
でも、それ以上に、レッスンを心から楽しみにして、音楽に触れていたいという生徒様が多数いらっしゃるという事実に胸が熱くなりました。
緊急事態宣言が解除されて、レッスンが再開した時、ご不安から退会者が続出してしまうのではないかと心配をしましたが、お教室の素晴らしいスタッフのお陰で、日曜日は常時25人程の在籍がありますが、なんと1人の退会者もなく全員レッスンに戻って来てくれました。
こんなにも、こんなにも、まるで生き甲斐のようにしてレッスンを楽しみにしてくれていたのだと、講師である私が一番勇気付けられた瞬間でもありました。
具体的にどのような感染対策がなされ、コロナ以前とどのように変わったのかをあげたいと思います。
まず、講師はパーテーション越しに指導をする為、以前のように生徒さんの楽譜への書き込みや、近くへ行っての指導は一切できなくなりました。
そして、こちらのお教室では本来楽器を持って来なくても、手ぶらでレッスンへお越しいただけることをうたっておりましたが、感染予防の為に必ずマイ楽器をご持参いただくこととなりました。
写真をご覧いただくと、皆様楽器ケースを椅子の横へ置いているのでお分かりいただけると思います。
そして、これが一番大きく変わったことなのですが、唯一講師と生徒様が接触しなければならない事に「チューニング」の問題があると思います。
とくに初心者のクラスでは気を揉みましたが、事情を説明して、根気よく、丁寧に指導してみたところ、案外パーテーション越しでも生徒様にチューニング技術を習得していただくことができるものです。
ポイントは、もう割り切ってワンレッスン丸々チューニングに費やすぐらいの気持ちを持って、気を長くして指導することでしょうか。
このことにより、今は私と生徒様が直で接触する瞬間はゼロになりました。
最後に、この生徒様お一人お一人、そして講師を遮るためのパーテーションですが、毎日毎日、教室スタッフが新しいシートに取り替えてくれています。
一日置きではありません。
毎日です。
これについてもスタッフに感謝しています。
写真では分かりにくいかも知れませんが、それぞれ、5人のクラス、4人のクラス、3人のクラス、そして写真にはありませんが2人のクラスもこれと同様にあります。
勿論生徒様全員に写真掲載の許可をとっており、そして皆様口々に「音楽を楽しむ姿を知ってもらえるなら、テレビでも新聞でも、どこへでも出して欲しい、協力したい」と仰ってくれています。
私の個人的なお話になりますが、私はレッスンが大好きな人間です。
「あなたはバイオリニストですか?それともバイオリン講師ですか?」と聞かれたら、迷わず講師だと答えます。
そのぐらいに私はレッスンが好きで、生徒様から音楽のこと、世の中のこと、人としての思いやりや愛情とは何かを教えていただいているのだと思います。
音楽業界のために、この衝撃的なレッスン風景写真もどんどん広まればと思っています。
他社さんで、もしくは個人のお教室でも、レッスンを継続しても良いのか悩んでいる所は沢山あると思います。
でもこうして、多数の生徒様がレッスンを楽しんでいる様子を知ってもらうことで、前向きな想いが生まれると思うのです。
別件ですが、大変不慣れながらも現在クラウドファンディングをしているのも、「まずは、この業界のことを知ってほしい」という強い想いからです。
こちらの方は、あと期間が10日となりましたが、期限一杯、どうか1人でも多くの方にこの業界のことを知っていただくべく、皆で見守っていただけましたら幸いです。