最後は音色
将来作曲家を目指す中学生の女の子が書いた素晴らしいバイオリンソナタが、2019年ヤマハJOCという大きな大会で賞を受賞しました。
楽器店予選から演奏に携わってまいりましたが、去年レコーディングに参加させていただきました。
先日無事に録音録画の編集が終了したということで、お祝いのお手紙を書きました。
まだ中学生の彼女に伝えたことは、最後は音色だということ。
高度なテクニックやコンコールの受賞歴、学歴、師事歴などはこれからの時代ほとんど意味を持たなくなるでしょう。
また聴きたいと思ってもらえるには、最後は音色だと思っています。
これからさらに、その傾向は強まっていくでしょう。
では、良い音色とはなにか。
良い演奏家とは。
私は、人の痛みがわかること、人の気持ちに想いを馳せることのできる演奏家こそが、これから最も求められる人材となると考えます。
私たちがPCを使ってブログを書いている今も、まさにこの時も、戦争や紛争地帯にいる子供や、病と闘う人、貧困に苦しむ人やDV、虐待、暴言などの見えない暴力に苦しんでいる人は沢山います。そういう目をそむけたくなるような現実から目をそらさないで、そういう過酷な現場にいる人々の気持ちを考え、自分に出来ることと出来ないことはなにか、自分の置かれた状況はどうであるのかを、冷静に考え、消化すること。毎日の生活の中で他人を思いやる気持ちを育むこと。
そうやっていきていれば、人のこころを打つ音色が、自然にでてくるのかなと思います。
とにもかくにも本当におめでとう。
私と同じ仕事を選んでくれたことを、本当に嬉しく思います。